付き合い始めて1ヶ月が過ぎた。
お互い平日仕事で土日が休みだったので
毎週金曜の晩からどっちかの家に泊まって
週末はずっと一緒に居た。
泰三さんはいろんな料理を作ってくれて
オレはいろんなお菓子を作ってあげた。
慶吾や康太ともたまに遊んでた。
泰三さんは優しくて、心からオレの事を愛してくれた。
オレも泰三さんの愛に応える為に精一杯愛して幸せな日々を過ごしていた。

今日も泰三さんと一日一緒に過ごした。
泰三さんはベッドに服を脱ぎ散らかしたままお風呂に入ってる。
これじゃあ寝転べない。

「もー、服ジャマー!」

服を鷲掴みにして床に放り投げた。

ボテ

っという感じで古い財布が転がり出た。
小銭入れのボタンが外れて小銭が散らばってしまった。

「あーもう」

しょうがないなという感じで、
小銭を拾い集めると財布に戻した。

「なんでこんなボロい財布使い続けてんだよ。もう!」

(そうだ、泰三さんの誕生日に新しい財布を買って…あっ!)
考え事をしていたせいか、手が滑って財布を落としそうになった。
慌てて掴みなおしたが、今度はお札入れの方から何か紙が落ちた。

「…え?」

床に落ちていたのは古い写真だった。
警官の制服を着た男が写っていた。

(オレ…じゃない。オレに、そっくりな……誰だ?)

心拍数が上がっていく。
よくない想像が湧いてしまう…。
でも、ここで取り乱すわけには行かない。
オレはそっと写真を財布に戻して泰三さんが出てくるのを待った。

「ああー暑ぅ」

泰三さんがお風呂から出てきた。
腰にタオルを巻いたままオレの隣に座ってくる。
014

「泰三さん…」
「どうした?なんか顔、暗いで」
「うん…ゴメン、財布…見ちゃった」
「……何?」
「服がジャマだったから、どかせたら財布落としちゃって、
それで拾ったら中から写真が出てきて……」
「!……見てもーたんか……」

泰三さんは複雑な表情をしている。
オレが、あの写真の人に似てるから…
オレは、あの写真の人の代わりに…?
心の中でまた嫌な想像が暴れ始める。
胸がキリキリと痛んだ。

「オレにそっくりだった…あの人は、誰?オレは、泰三さんにとって…」
「そんなんやない」
「でも……」
「いつかは話さんとあかんと思ってた…聞いてくれるか…?」
「……聞きたく…ない…」
「頼む…聞いてくれ」
「……でも………」
「お前は、あの人の代わりなんかやない。お前は、お前や。
オレにとってたった一人の大切な恋人やで…。
だから……聞いてくれるか……?」
「……」

泰三さんはゆっくりと背中をさすりながら話しかけてくる。
オレは…あの人の代わりじゃない…でも……
どんな話なんだ…?聞くのが怖い……。

泰三さんはまだ話し始めない。
右手で背中をゆっくりと撫でながら
左手でオレの手を取ってゆっくりマッサージしてくれる。
初めて会った時にも感じていたが
泰三さんは心の強張りに敏感なんだと思った。
そしてその度、焦らずにゆっくりと緊張をほぐしてくれた。

(なんか…安心、できるんだよな……)

気がつくと自分でも無意識に体が緊張していたようで
体の力がスッと抜けていくのが分かった。

「大丈夫か……?」
「うん…ゴメンね……」
「……ほな、聞いてくれるか?」
「いいよ、オレは泰三さんの事、信じてるから」
「イヤ…聞いてくれ。隠し事はしたくない」
「でも……」
「大丈夫やって。大昔の話なんやから。
それにここでお前がうんって言わへんかったら15話に続かへん」
「は?15話?」
「え?今オレ、15話って…?
と、とにかく、聞いてくれるか?」
「う、うん……」

(´・ω・`)★☆(´・ω・`)★☆かいせつ★☆(´・ω・`)★☆(´・ω・`)

ようやく今回ユキヒロが龍次という人物について知る事となります。
そして泰三に対するプチ疑念。
ボロボロの財布が意味するものとは!?
けいいちも財布を買い換えたいです。

「もー服ジャマジャマ」…ボケてのマスコットキャラクター
ジャマジャマ(非公式名称)からいただきました。
ジャマジャマ
←こいつ。

お題画像で乳首が出ているとアウトなので
こいつを使用して誰かが隠し始めたため
ジャマをするやつという意味で誰かが命名。
ゆるすぎるw

「ここでお前がうんって言わへんかったら15話に続かへん」
のくだりは武士沢レシーブという漫画の最終回で
似たようなやり取りがあり、このギャグオモローと言う事でパクりましたw
イヤホント、あのままじゃ締められなかったんでw