「まいどー」
「ご馳走さん!また来るわ」

仕事の帰り道、いつもの立ち飲み屋で一杯飲んだ。
明日は週末で仕事も休みだった。

(このまま帰って寝るんもなぁ…)

このところ週末は大体家で筋トレしたり
掃除と自炊と溜まった洗濯物の処理程度しかやってない。
当然時間は有り余るから、後はゴロゴロするか
たまにヤりたくなったらハッテン場*に行くくらいだが
最近はそれも面倒で性欲処理はもっぱら自家発電*だった。

(はぁ…どんだけダメ人間やねん俺。
景気付けにもう一件行きたいけど、一人で行くのもなんかなぁ)

そんな事をボンヤリと考えながら歩いていた時、
前から早足で歩いてきたやつが思いきりよそ見しながら突進してきた。

ドン!

思いっきりぶつかってそいつは尻餅をついた。
俺は倒れはしなかったが、
自分のプライベートの虚しさ加減に軽く凹んでたところに
ぶつかって来られたせいでイラッとしてしまい、つい怒鳴ってしまった。

「いっ……たいのぉ!この、ボケがぁ!!」

そう言ってぶつかってきたやつを見下ろした瞬間言葉を失った。

(龍次さん!?)

そいつの顔…特に目があの人にそっくりだった。
一瞬あの人が目の前にいるのかと錯覚するほどだった。
そいつは、泣いていた。

「オイ…大丈夫か?頭でも打ったか?」
「え…あ、すいません……」
「どっか痛むんか?立てるか?」

そいつの腕を取って立たせてやった。
首に掛けてた手拭いで顔をぬぐってやる。

「イテテテテテ!」
「我慢せぇ、こんな顔じゃせっかくの男前が台無しやろ」
「〜〜〜!」
「よし、これでええな」

頭をポンと軽くはたいてやる。
身長は俺より15センチほど低いか…?
まあ俺が194センチだから十分高いっちゃあ高いんだが。
そいつの顔を見ながら俺はある事を思いついた。
「どうもすいませんでした。じゃあこれで…」
立ち去ろうとするそいつの腕を掴んで言った。


003



「いい事思いついた。お前今から俺の飲みに付き合え」
「……は?」
「明日の予定は?」
「や、休みですけど……」
「OK決まり!ほな行くで!」

オレは強引にそいつを連れて居酒屋へ向かった。
あの人の目をしたこの男と、すぐに別れたくはなかった。
(´・ω・`)★☆(´・ω・`)★☆かいせつ★☆(´・ω・`)★☆(´・ω・`)

主人公が酔っ払って記憶を失った部分の描写なので
視点が主人公から相手役へと移動します。
ここで「龍次」という謎の人物の名前が出てきますが
原案にはこれはありませんでした。
裏店長の小説が面白くて、けいいちも小説書きたいなあ
と思っていたとき原案のリメイクを思いつき、
その時に出来た人物です。

「いい事思いついた。お前今から俺の飲みに付き合え」
という台詞は有名なゲイ漫画「くそみそテクニック」から
アレンジして引用してみました。

(´・ω・`)★☆(´・ω・`)★ゲイ能用語!☆(´・ω・`)★☆(´・ω・`)

*1 ハッテン場:性交渉を行う施設。ホテルとは違い、相手は現地調達の場合が多い。
*2 自家発電:右手が恋人