Starry Sky

ゲイによるノンケ向けのゲイ恋愛小説です。性的表現は控えめですがなきにしもあらずなので苦手な方はご遠慮ください。

002. 23:30

(頭イテェ・・・・・・)

頭がガンガンする。周りは真っ暗で何も見えない。
体は・・・動きそうだけど、動く気力がない。
目だけ開けて周りを探ると、デジタル時計が頼りなく光っているのが見えた。

「23:30」

(つーか、ここどこだ…?)
自宅にはHDDレコーダー以外にデジタル時計の表示をするものはないし
この時計の色はうちのと違う。それは理解できた。
とりあえず自宅以外のところに今俺が居るのは確かだ。
それに布団に寝かされている。着ている服は…スエットのようなものだった。
確か今日はパーカーにデニムだったから服が変わっているのも確かだ。

自分に何が起きたのか、全く思い出せない…。

そういえばさっきから水の流れる音がしている。
シャワー浴びてるみたいな…。


って、シャワー!?


え?え?なにここホテル?
俺なんか連れ込まれちゃったの!?
ヤバい事になったりしてない?
すっかりパニックになってるうちに水の音は止まってしまった。
ヤバい、逃げなきゃ。でも足腰が言う事を聞いてくれない。

(これって、薬漬け!?俺売られちゃうの!?)

怖くて怖くてどうにか逃げようと立ち上がろうとするけど
上体を起こすだけで息があがる体たらくだった。
そんな情けない格闘をしている間に

ガチャリ…

とゆっくりドアが開く音がした。
く、来る……。もう駄目だ……。
俺はどうする事も出来ないまま
ただゆっくりと開いていくドアを見つめる事しか出来なかった。

ドアの影から現れたのは男だった。
身長はたぶん190くらいあるだろう。
影の輪郭がプロレスラーのような体格を象っている。
威圧感のハンパない陰がゆっくりと音を立てないようにこちらに向かってくる。
体の震えが止まらない。涙が出てくる。まだ死にたくないのに!
恐怖に耐え切れず声を上げそうになった瞬間


「お?何や起きてたんか。暗かったから気付かんかったわ」


拍子抜けするほど軽い口調で話しかけられた。
この声は……!
あの大男!!

「あ、あ…あのここは……?」
「……?何や覚えてないんか?」

パチ。
うおっまぶしっ!

「何や、また泣いてたんか?」
「え、イヤ、あの…俺、俺、まだ死にたくないです!」
「……は?」
「なんでも言う事聞きますから!」
「……ふっ、はは、あははは、ギャハハハハハハ!!」
「…………?え、あのー…」

ひとしきり笑い終えた大男はしゃがみこんで
呆気に取られている俺の顔を覗き込みながらニヤニヤしている。

02


「ここ、俺んちやで。お前…すごかったでw」
「は……?」

俺は……一体何をしたんだ?続きを読む

001. ラストノート

「……もう、やり直せないの?」
「ゴメン…」
「もっと早く言って欲しかったよ…」
「……」
「……」
「ゴメンな…」
「……しょうがないよ。もうどうしようもない事だし」
「……うん」
「短い間だったけど、ありがとね。それじゃあ、元気でね」

言いたくもない別れの言葉をひねり出す。
声が震えそうになるのを必死で抑えながら。
それでも涙はあっという間に滲み出して
今にも零れ落ちそうになる。
オレは慌ててテーブルの上の伝票を掴むとレジへ向かった。

「おい、ここはオレが…」
「いいよ、最後くらいかっこつけさせてw」

早く会計を済まさなきゃ。
レジへ向かいながら背中で答えた。
かっこつけてはみたものの、涙声なのがバレバレだ。
ひょっとして、今俺すごく惨めなのかも…。

一瞬あいつのいつもつけてた香水が香った。
今となっては悲しい香りだった。

「880円になりま〜す」
「こ、これで…」
財布の中から1000円札を差し出した。
「1000円からでよろしかったでしょうか〜?」
「はい…」
「お客様、大丈夫ですかぁ?」
視界が滲んでよく見えないが、ノンケ的に「かわいい系」の女の子だろうか、
涙目になってる俺に気付いたらしい。
耳が熱くなっていく。

(恥ずかしい…)

「だ、大丈夫です。目にゴミが入ったんで。あ、あのお釣りは結構です」
「え、でも〜…」

とにかく一秒たりともそこに居たくはなかった。
店員の女の子の返事を待たずに店を後にした。
早く誰も居ない所に行きたい。涙はどんどん零れてくる。
ろくに前も見えないくせに気持ちばかり焦って早足になる。

(……えっ!?)

一瞬あいつの匂いがした気がした。
追いかけてきた!?
反射的に振り返ってしまった。
次の瞬間、

ドン!

と思いっきり目の前の壁にぶつかってしまい
俺は不恰好に尻餅をついてしまった。

「イタタタ……」
01


慌ててぶつかった方を見たら
壁だと思ってたのは人だった。しかも巨人だ。
たぶん2〜3人殺してるんじゃないかと思うくらいの
ドスの効いた声が頭上遥か彼方から降り注いできた。


「いっ……たいのぉ!この、ボケがぁ!!」


えーと…俺、殺されるかも…。続きを読む
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